日本財団 図書館


 

◇事業報告及び今後の方針(英語版P.13)
世界表勇消防連盟の事業報告及び今後の方針について申し上げます。
当連盟は、1982年12月に発足以来、これまでに5回の総会と今回を含め11回の地域総会を開催し、義勇消防の国際交流を推めるとともに各国義勇消防が直面している諸問題について討議を重ねてまいりました。
また、この間加盟各国から寄せられた消防情報を基に、機関誌の発行を定期的に行うなど、積極的に事業の推進を行ってきております。
とりわけ昨年は、災害に勇敢に闘い殉職した義勇消防隊員の功績を称えるため、加盟各国の総意のもとに創設された「特別栄誉功労賞」の授与が、『世界義勇消防の日』の12月1日に、タイ王国バンコク市において開催された『第4回アジア・オセアニア地域総会」の席上で初めて行われ、多数の出席者に深い感銘と強い印象を与えたことは、記憶に新しいところであります。
当連盟は、これまで積みかさねてきた実績をもとに、まじかにせまった21世紀に向けて、各国消防を取り巻く諸問題の検討はもとより、地球環境の保全に努めながら、各国義勇消防が目指す新しい時代の要請に即応できる消防体制を構築するために、最大の努力をしてまいりたいと考えております。

 

◇地域総会宣言(英語版P.13)
世界義勇消防連盟は、義勇消防の国際交流を推進することによって、各国消防の発展と国際親善の増進に寄与することを目的に結成された。
爾来、我々は消防の国際的貢献を果たすべく努力を積み重ね、現在146カ国・地域が加盟する国際的な消防組織に発展した。
しかしながら、今日、国際社会を取り巻く消防環境は、災害の大規模、かつ複雑化の様相を呈し、人類の平和で安全な生活を確保するという我々に課せられた使命は、益々重要性を増しその体制強化が強く望まれている。
我々は、このような認識のもとに、義勇消防の国際交流と当面している諸問題について討議するため、ここペルー共和国リマ市においてアメリカ地域総会を開催した。我々は、この会議での成果を踏まえ、地球環境の保全と、各種災害から国民の生命、身体及び財産を守るため、連盟結成の趣旨に沿い、きたるべき21世紀に向けて力強く、一層の努力を重ねていくことを、世界義勇消防連盟の名において、ここリマ市から宣言する。

 

1996年10月1日
世界義勇消防連盟
総裁 徳田正明

 

■デモンストレーション(英語版P.15)

デモンストレーションに先立ち、連盟総裁とペルー消防協会会長により、会場であるカンボ・デ・マルテ公園内に建立されている慰霊碑に献花が行われた。
続いて、連盟総裁、ぺル共和国政府関係者、各国代表者、日本国消防庁次長、国連人道問題局代表国際消防技術委員会会長、日本国消防関係者及びぺルー各地方本部消防関係者が見守る中、地域総会に引き続いて、アルベルト・フジモリ・フジモリ ペルー共和国大統領が入場され、士気が高まる中、ペルー義勇消防団総勢約1,000人によるデモンストレーションが開始された。
デモンストレーションは、世界義勇消防連盟第4回アメリカ地域総会参加国国旗、軍両及び消防士の行進で幕をあけ、危険物処理訓練、交通事故からの救助訓練、さらに模擬家屋からの救助、救護及び消火訓練は、本番さながらの熱気と緊張感につつまれながら進行した。そして最後に梯子車の伸梯と続き、スタンドから演技参加者に大きな拍手が贈られた。

 

■技術委員会(英語版P.15)

連盟総裁、各国代表者約50名が出席し、ジェームス・モニハン アメリカ代表が議長になり、次の議題について活発に討議された。
(1)ロンドン消防局の最新ヘルメットを使用したデモンストレーション
イギリスのドン・ベイツ氏から、ロンドン消防曲の最新ヘルメットが、実物と説明書により紹介された。
(2)カリブ海諸島の自然災害に対する訓練について
トリニダード・ドバコ共和国アンドレ・クレスタ・レニー氏から、現在、カリブ海の島々では火山噴火や地震災害が大変多く発生しており、自然災害の発生に備え、地域の非常対策委員会から指名された公設及び義勇消防士が受ける、英語で作成された救援・救助訓練計画の早急な策定を必要としており、これと同時に、有効な訓練を実施しなければならないことが発表された。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION